- 社会保険料を払ってまで社員を社会保険に加入させるメリットはありますか
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法律で決まっているから、というコンプライアンスの点だけではなく「人」の面からも大きなメリットがあります
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Q、会社が社会保険料を払ってまで社員を社会保険に加入させるメリットはありますか
A、法律で決まっているから、というコンプライアンスの点だけではなく「人」の面からも大きなメリットがあります。
一定の条件を満たす企業の場合、社会保険(健康保険・厚生年金保険)に加入する必要があります。これは法律で決められているため加入するかしないかを、社長が判断することはできません。
しかし、昨今、かなり減ってきているとはいえ現実的には、強制加入の義務がありながら、まだ未加入の企業が存在するのも事実です。
未加入の理由として「手続きがよくわからない」などもありますが一番の理由は、「社会保険料の負担額が大きい」だと思われます。労働保険料(労災保険・雇用保険)の額は年に一回の支払いでもあり準備もされているとは思いますが、社会保険料は毎月の支払となり、またそれなりに大きな金額になります。
たとえば、20万円の給料を支払う場合ならば、労働保険料・社会保険料のそれぞれの内訳はおおよそ以下のようになります。
社員負担 会社負担 合計
労災保険 0 0.3% 0.3%
雇用保険 0.5% 0.85% 1.35%
健康保険 4.985% 4.985% 9.970%
厚生年金 8.56% 8.56% 17.12%
合計 14.045% 14.695% 28.74%
社員負担 会社負担 合計
労災保険 0 600円 600円
雇用保険 1.000円 1.700円 2.700円
健康保険 9.970円 9.970円 19.940円
厚生年金 17.120円 17.120円 34.240円
合計 28.090円 29.390円 57.480円
社員負担分の28.090円は社員の給料20万円から控除するため給料に含まれていると考えれば良いのですが、会社負担分の29.390円に関しては社員給料20万円とは別に考える必要があります。
そのため月給20万円の社員の実質の人件費は20万+29.390円=229.390円 となります。
月の給与支払額以外にも社会保険料として15%は余計にかかると考えておきましょう。
まだまだ厳しい経営環境が続くなか、更に15%も社会保険料で負担したくないという会社の考えも理解できます。社会保険料負担で会社がつぶれてしまっては、本末転倒です。
しかし、社会保険の加入には、コンプライアンスという点以外にも経営面、特に「人」の面では大きなメリットがあります。
インターネットで誰でも情報を調べることができる時代です。従業員も当然に社会保険加入に関しての最低限の知識はあると考えるべきです。そのような中で、
●応募者が就職先を決める際に、同じ月給で ・社会保険加入 ・社会保険未加入 のどちらを選ぶでしょうか。
●社会保険加入の会社ではなく、わざわざ社会保険未加入の会社に応募してくる。他社では不要と判断された人材で腰かけ就職のつもりなのではないでしょうか。
●従業員が今と同じ仕事内容で・社会保険加入の企業に転職できるとしたらどうするでしょうか。
●取引先が今後、商売相手を選んでいく際に ・社会保険加入 。社会保険未加入 の会社ではどちらの会社を経営状態が安定していると判断するでしょうか。
「なかなか良い人材が確保できない」「募集しても応募がない」「離職率が高い」などでお悩みの場合、社会保険未加入が原因となっていると考える必要もあるのではないでしょうか。
「それはわかってはいるけど」「やはり保険料負担が大きくて」という場合、給与額の見直しで可能な限り社会保険料の負担額を低くすることが考えられます。現在社会保険未加入で20万円支払っているなら、社会保険の会社負担分を含めて20万円以内に抑えることを目標として、賃金を見直すのです。もちろん会社負担分の全額を給与に転嫁することは困難ですが、負担額を減らすことは充分に可能です。
また社会保険加入のメリットをきちんと説明すれば、従業員の方にも必ず賛同してくれるはずです。
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