- 妊娠中の社員の検診のための休暇等の規程を定める必要はありますか
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男女雇用機会均等法では女性労働者に母性健康管理の措置を行うことが義務づけられています。具体的な取扱いや手続について就業規則に規定しておくことは重要です。
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Q、妊娠中の社員の検診のための休暇等の規程は特に定めていませんが、これは義務なのでしょうか。
A、会社の義務として、男女雇用機会均等法で妊娠中または出産後の女性労働者に母性健康管理の措置を行うことが企業に義務づけられています。そのため具体的な取扱いや手続について就業規則に規定しておくことは重要です。
男女雇用機会均等法では、平成10年の法改正により、会社に対して妊娠・出産後の女性従業員の状態に応じて、業務負荷の調整や就労環境の整備を求めており、会社は、母性健康管理の措置を講じる義務があります。罰則等はありませんが、こうした措置が講じられず、是正指導にも応じない場合、企業名公表の対象となります。
また、これらの母性健康管理に関する措置が的確に講じられるためには、あらかじめその具体的な取扱いや手続について就業規則に規定しておくことが重要となります。
特に、ポイントとしては、女性従業員が妊娠した際には、母性や胎児の健康のために、保健指導または健康診査を受ける必要がありますが、仕事の状況によってはこの受診時間を確保することが困難なケースが多くあります。このため、会社は妊娠中および産後において、女性従業員が健康診査を受診するなどの場合、休暇を取りやすいような措置を義務付けています。
※ただし与えた休暇の賃金は無給でも良いことになっています。
その他、妊娠・出産後の女性従業員が健康診査等による指導を受けたさいに、会社はその指導事項を守ることが出来るように、時差出勤、勤務時間の短縮、交通手段・通勤経路の変更等の措置を取らなければいけません。
(母性健康管理のための休暇等)
第●●条 妊娠中又は産後1年を経過しない女性従業員が、所定労働時間内に、母子保健法に基づく保健指導又は健康診査を受けるために、通院休暇を請求した場合には、次の範囲で休暇を与えるものとする。ただし、不就労時間に対する部分は無給とする。
(1) 産前の場合…次による。ただし、医師等がこれと異なる指示をしたときは、その指示により必要な時間とする。
妊娠23週まで 4週間に1回
妊娠24週から35週まで 2週間に1回
妊娠36週から出産まで 1週間に1回
(2) 産後(1年以内)の場合…医師等の指示により必要な時間とする。
2 妊娠中又は産後1年を経過しない女性従業員から、保健指導又は健康診査に基づき勤務時間等について医師等の指導を受けた旨の申出があった場合には、次の措置を講ずるものとする。ただし、不就労時間に対する部分は無給とする。
(1) 通勤時の混雑を避けるよう指導された場合は、妊娠中の通勤の緩和措置…1時間以内の時差出勤
(2) 休憩時間について指導された場合は、妊娠中の休憩措置…休憩回数の増加、休憩時間の延長
(3) 妊娠中、出産後の諸症状の発生又はそのおそれがあると指導された場合は、妊娠中、出産後の諸症状に対応する措置…勤務時間の短縮、休業等
3 第1項の請求及び前項の申出をする者は、医師等の指示又は指導内容が記載された証明書を会社に提出しなければならない。
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