- 勤務成績の悪い社員を解雇することは可能でしょうか。
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繰り返し注意、指導したにも関わらず改善しない、などのプロセスを踏んでいる場合には解雇も可能です。
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Q、勤務成績の悪い社員を解雇することは可能でしょうか。
A、繰り返し注意、指導したにも関わらず改善しない、などのプロセスを踏んでいる場合には解雇も可能です。
勤務成績が悪い、営業成績が悪い、などの場合、これ自体は会社のルールである就業規則には違反していません。
会社ルールに違反している場合は「懲戒処分」としての懲戒解雇になりますが、明確なルール違反をしていない場合はどうなのでしょうか。この場合は「普通解雇」と言われる措置になります。
●懲戒解雇=懲戒処分、つまり特定の行為に対する「制裁」として行われる解雇
●普通解雇=労務を適切に提供できない状態全般を理由とした解雇
勤務成績不良の場合は上記の「普通解雇」にあたることになるわけですが、これまでの解雇に関する裁判の判例から勤務成績不良は職務不適格のひとつであるとしたうえで、これが解雇として有効か無かを判断するにあたっては
①客観的合理的な基準によるべきこと
②解雇理由該当事実が解雇をもって臨まなければならないほど質的にまた程度的に重大な事実であるかどうか
③使用者側が労働者に改善矯正を促し、努力反省の機会を与えたのに改善がなされなかったかどうか
④指導による改善可能性が見込めないかどうか
⑤職場の規律維持に重大な影響を与えたり、業務遂行に重大な支障を与えたかどうか
⑥会社の側に落ち度がなかったどうか
などの各点を総合的に考えて決定する、としています。
そのため普通解雇においても懲戒解雇においても金銭横領や暴力行為などの一発で懲戒解雇も仕方ない、という理由以外では、やはり解雇に至るまでに段階を踏んだ対応がなされ改善の機会が与えられたかという点が重要になってきます。
例えば
●成績不良で職務遂行能力が著しく劣る
=他の社員に比べてどの程度成績が悪いのか、具体的にどのような点が劣っているのか、改善するために会社はどのような対応をこれまで取ってきたのか、などの点を明確に説明できなければなりません。
●協調性がなく、社員としての資質に欠ける
=協調性に欠ける行為とはどのようなことか、社員の資質とはどのようなもので、どの部分が欠けるのか、などの点が説明できるでしょうか。
「理不尽に遅刻・無断欠勤を何度も繰り返し、上司や会社の命令や指示を実行せず、更に指導や教育をしても一向に改善されない。そのためこれまでもその都度、何度も厳重注意や始末書を提出させ戒めてきた。それでもなお改善されないので、次は解雇しますと警告した。しかしそこまでしてもダメだった。だから解雇です。」
という形をとる必要があるため懲戒解雇・普通解雇にしても通常は3か月~半年くらいはかかってしまいますし、また会社には警告、教育指導による改善の機会の付与、適した部署への転換、などの対応も求められています。そのためどのような場合にしても会社側としては慎重に計画的に解雇までのプロセスを踏んでいく必要があります。
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