- 管理職として役職手当を支給すれば、残業代や休日出勤代は不要になりますか。
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労働基準法上の管理監督者とは「管理監督者=経営者と同等の立場にある人」です。管理職扱いすれば誰でも残業代不要というわけではありません。
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Q、管理職扱いにして役職手当を支給すれば、残業代や休日出勤代などは不要になりますか。
A、労働基準法上の管理監督者とは「管理監督者=経営者と同等の立場にある人」です。管理職扱いすれば誰でも残業代不要というわけではありません。
例えば管理職になり役職手当が支給されるようになったが、平社員の時と違い残業代が支給されなくなったので、責任だけ増えて最終的な手取り給与額は減ってしまった、などという話はサラリーマンの間では良く聞く話です。
「管理職は残業代が不要」というのは労働基準法41条で、
●管理監督者には、労働基準法上の労働時間や休憩、休日に関する規定が適用されない
という規程があるからです。労働時間の規定が適用されないということは1日8時間だろうと1日12時間だろうと、何時間労働しようと法律としては問題ないです、ということになります。
そのため1日8時間の法定労働時間を超えたら残業割増が必要ということもなくなるわけです。
では会社の管理職は、法律の管理監督者とイコールなのでしょうか。
多くの会社では、管理職=管理監督者として取り扱っています。しかし、管理職というのは、あくまでも会社内の役職上の呼称であり、法律上の管理監督者と同じではありません。
法律上の管理監督者と認められるには、
①事業主(会社)の経営に関する決定に参画し、労務管理に関する指揮監督権限を認められていること
※「経営上の会議等に参加できない」「人員計画を立てる権限がなく、パートやアルバイトなどの採用権限もない」「一般社員やパートタイマーに残業を命じる権限がない」などの場合は不可となります。
②自己の出退勤をはじめとする労働時間について裁量権を有していること
※「出勤時間や退勤時間が別の経営者によって決められていて自由に決められない」「遅刻や早退をした場合に減給などの制裁がある」「長時間労働を余儀なくされるなど,実際には労働時間の裁量がほとんどない」などの場合は不可となります。
③一般の従業員と比べて、その地位と権限にふさわしい賃金上の処遇(基本給、賞与、役職手当など)を与えられていること
※「時間あたりの賃金が一般社員らを下回る」「役職手当などの金額が不十分」などの場合は不可になります。
判例でも
●材料の仕入れ・売上金の管理等を任されているが出退勤の自由はなく、仕事もウエイター、レジ係等全般に及んでいるレストラン店長(レストラン「ビュッフェ」事件)
●通常の就業時間に拘束されて出退勤の自由がなく、部下の人事や考課に関与したり機密事項に接したりすることもなく、経営者と一体となって経営を左右する仕事に携わることもない銀行の支店長代理(静岡銀行事件)
●一般従業員と同じ賃金体系・時間管理の下に置かれている名目だけの取締役工場長
(橘屋事件)
などの場合は残業代不要の管理監督者としては認められていません。
労働基準法でも、また労働基準監督署でも管理者という名前であれば残業代不要と認めるわけではなく、実態に即して判断することになります。
会社は上記のような点を理解したうえで、総合的に自社に置き換えた場合、管理職として残業代を出さないとする者はどこからになるかを把握しておく必要があります。
また管理監督者と言えども深夜時間22時~5時までの深夜割増賃金と、健康管理のためのタイムカード等による労働時間の把握は必要です。ご注意ください。
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