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労働問題

能力不足の新規採用社員を試用期間で解雇する場合に注意すべき点はありますか

試用期間中と言えども労働契約は成立しています。恣意的な解雇は許されません。就業規則への記載や手続きも含め解雇の根拠は万全でしょうか。

Q、能力不足の新規採用社員を試用期間で解雇する場合に注意すべき点はありますか

A、試用期間中と言えども労働契約は成立しています。恣意的な解雇は許されません。就業規則への記載も含め、解雇するうえでの根拠や手続きは万全に進めていく必要があります。


試用期間とは、採用時には社員として適格かどうか判断できないため、一定期間を設け、その期間の仕事に対する姿勢や職務能力を判断したうえで、社員として雇用するかどうかを判断する期間です。

労働基準法では試用開始から14日以内に解雇する場合は、即時解雇してもいいことになっていますが、多くの企業で採用されている「試用期間3か月」で雇用を打ち切る場合になると、30日前の解雇予告か予告手当の支払いをおこない、試用期間満了時に本採用をしない旨、本人に通知することにより解雇することになります。

本採用されない理由として、遅刻欠勤が多い、勤務態度が悪い、職務能力が著しく乏しい、会社に大きな損害を与えた等、仕事をしていくうえで明らかに問題があるという正当な理由がある場合、試用期間で、解雇することが可能ですが、そのためには就業規則等で本採用拒否の理由を明記しておくことが大切です。


例えば具体的な事例としては
①履歴書等に重大な経歴詐称や隠蔽があった場合
試用期間中に、本人の履歴や職歴・所有資格等に重大な虚偽の報告があった(若しくは重大な履歴が故意に記載されていなかった)。
  
②能力の大幅な不足
入社前に期待していた能力、また本人が発揮可能としていた能力が入社後には全く発揮されない。

③勤務態度の不良
入社後の勤務態度が極めて悪く、強調性もなく、周囲の業務にも悪い影響を与える状態である。

④勤怠不良
入社後、正当な理由がないにもかかわらず、遅刻・欠勤等を繰り返す場合。

⑤健康不良
入社後体調を崩し、欠勤を繰り返す場合が該当します。また試用期間中にうつ病を始めとするメンタル不調により完全な労務の提供ができない状態。

などに該当する場合は就業規則への記載を根拠として試用期間での雇用契約終了が可能となります。

ただし注意が必要なのは試用期間での解雇と言えども、これも解雇のひとつのバリエーションなので労働基準法で規程されている、解雇する際には30日前に予告するか、予告に代えて30日分以上の平均賃金を支払わなければならない、という点は守る必要があります。

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