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労働問題

管理職として中途採用した者を能力不足を理由に解雇できますか

雇用契約書、就業規則の記載内容が解雇の要件を満たしていれば可能な場合があります。

Q、管理職として中途採用した者が期待していたような能力が明らかに不足していることがわかりました。能力不足を理由に解雇できますか

A、雇用契約書、就業規則の記載内容が解雇の要件を満たしていればキャリア採用の場合は一般社員の能力不足解雇よりはハードルが下がり、解雇可能な場合があります。


管理職や専門技術職として採用した社員が期待通りの成果を上げられない、または面接等で本人が経験ありとしていた業務が実はできなかった、などによりその後の処遇に困っているという話は良く聞く話です。

では管理職や専門技術職として採用した社員を能力不足で解雇したい場合はどのようにすれば良いのでしょうか。

まず確認しなければいけないポイントとしては
●雇用契約の内容
●就業規則の解雇規定
の2つが正しく締結されているのか、が重要ポイントとなります。

「マネジメント職=管理職」「特別な技術や資格のある専門技術者」「実績を認めての営業職」等を採用(いわゆるキャリア採用)する場合、新卒採用や一般社員の中途採用と違い「役職」「職種」「責任の範囲」等を明確に決めて、雇用契約を結ぶ必要があります。

また、雇用契約書の中で、会社が求める業務レベルを具体的に示すことも不可欠です。
例えば、
①一定水準の能力・スキルがあることが採用の前提条件であること。
②役職・職種が特定された契約であること。
③管理職や専門職として、会社が期待している一定の業務の履行、業績目標等が記載されていること。
④会社の求める能力に達していない場合と判断された場合には退職とすること。

などが盛り込まれた雇用契約書を締結する必要があります。

そのうえで就業規則においても
●解雇理由として、業務に対する能力不足を規程していること

以上の「雇用契約書」「就業規則」の2つの要件が満たされていて初めてキャリア採用者の能力不足による解雇が認められることになります。

また「能力が低い」にも関わらず採用後何年も経過していた、などの場合は実際は求められている業務を遂行できている、とも考えられるため採用後、能力不足が判明した場合は早めに何らかの対応を検討する必要があります。

とは言え、いくらキャリア採用者の能力不足による解雇と言っても、一般社員の能力不足解雇と比較すればハードルが低いというだけで、解雇には違いありません。
当然、会社としてはリスクを考えるならば解雇措置をとる前に、本人との話し合いで、業績達成の機会を与える、それでも駄目ならまずは「退職勧奨」を進めてみる、などの配慮は考えておくべきです。

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