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就業規則

労働条件の切り下げは可能ですか

原則、会社からの一方的な労働条件の低下は無効とされます。重要な労働条件を変更する際は従業員の同意を得る、または就業規則の変更により進める必要があります

Q、労働条件の切り下げは可能ですか

A、原則、会社からの一方的な労働条件の低下は無効とされます。重要な労働条件を変更する際は従業員の同意を得る、または就業規則の変更により進める必要があります

経営環境の変化や事業の変換、新しい取り組みなどに対応するために、労働条件(特に賃金、労働時間や休日日数等)を切り下げる(不利益に変更する)ことは可能なのでしょうか?またそのためにはどのような条件をクリアーするべきなのでしょうか?

これまでの労働条件(賃金・勤務時間・休日日数等)を、会社側が一方的に変更することは、既得権の侵害として原則許されないという考えが一般的です。特に賃金や労働時間・休日日数などの重要な労働条件の変更に関しては、かなり厳格な要件が求められ基本的には認められないとされています。
 
ただし労働条件の不利益変更は絶対に不可能かと言いますと、ある一定の条件をクリアーしていれば決して不可能ではありません。

まず労働条件の切り下げ(不利益変更)については一般的に以下3つのやり方があります。
①労働組合と労働協約を締結して行うこと
労働組合と合意して、労働協約として締結できれば、その組合に所属する労働者は例え、個別に異議を唱えても、包括的に拘束されます。ことさら特定の個人を差別するようなものでなければ個別同意を取らずに労働条件を変更することが可能です

②従業員の個別の同意を取る
労働組合が無い場合での一番安全な変更方法です。変更同意書等の書面で同意を取ります。

③就業規則等で会社側から一方的に変更する
個別の同意などは得られそうにない場合等に実行する方法ですがリスクも高い方法です。

②の個別の同意を得ることができれば一番安心で会社としもトラブルの可能性は低いでしょう。なぜなら従業員も納得したうえでの新しい労働条件となるためです。
しかし個別の同意が困難な場合は③の方法になってしまいますが、③の方法についてはそもそも、個別の従業員の同意(納得)を得ていないため、トラブルが表面化し紛争状態になった場合は会社側の変更理由やそのプロセスが吟味されることになります。

●労働条件の変更によって労働者が被る不利益の程度
特に賃金に関しては、生活を脅かすような、または実質は退職を促すような著しい減額になっていないか。
●会社側の変更の必要性の内容・程度
会社の理由として客観的・合理的に見ても納得できる理由がなければなりません。
●変更後の労働条件の内容自体の相当性
●代償措置その他関連する他の労働条件の改善状況
例えば、給料は下がるが、その分、労働時間が短縮されているまた休日が増えた(代償措置)場合や、変更後3年以内は有利な古い制度を適用するなど(経過措置)です
●労働者との交渉の経緯
可能な限りの時間を掛けて、会社から従業員に説明をし、納得させる努力をしたか。
●同種事業に関する我が国社会における一般的な状況
時代の要請に合わせて年功賃金を能力主義賃金に変更する必要がある等

上記はおおよその判断要素であり、総合的に判断されることになります。つまりある要素を満たしていなくても、他の要素で大きくカバーすることも可能となりますが、あくまで大原則は一方的な労働条件の不利益変更はできない、という点にありますので注意が必要ですので、慎重な対応が必要です。
是非とも社会保険労務士事務所ツノダ人事多摩オフィスにご相談ください。

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