- 就業規則を変更することで給与を低くすることはできますか
-
-
給与の変更は本人の同意なくしてはできませんが、例外として合理的な理由がある場合は可能です。
-
Q、就業規則を変更することで給与を低くすることはできますか?
A、給与の変更は本人の同意なくしてはできませんが、例外として合理的な理由がある場合は可能です。
会社は,労働基準法上は,従業員代表の意見を聴取しさえすれば,就業規則を自由に変更できることになっています。ここで必要なのは「同意」ではなく「意見を聴取」ですので、「就業規則変更に反対」の意見でもかまいません。ただし、実際に就業規則を変更するにはいくつか重大な制限がついています。
まず,労働基準法は,法令又は労働組合との労働協約に反してはならないと定め,これに反する就業規則に対しては,監督署は,就業規則の変更を命じることができるとしています。
では,法令や労働協約に反しなければ変更は自由かというと,そうではありません。現在の判例では,不利益な変更は,「合理的な変更」と認められる場合に限って,効力を有するとしています。
この「合理的な変更」とは具体的にはどのような内容なのでしょうか?
実は明確な基準というのはありません。これまでの裁判によるガイドライン的な指針があるのみです。それは
●労働者が被る不利益の程度,
●使用者側の変更の必要性の内容・程度,
●変更後の就業規則の内容自体の相当性,
●代償措置その他関連する他の労働条件の改善状況,
●労働組合等との交渉の経緯,他の労働組合又は他の従業員の対応,
●同種事項に関する我が国社会における一般的状況等。
というもので、合理性の有無は,上記のような事情等を総合考慮して判断すべきであるとされています。
例えば、突然理由もなく給与が変わりました、では認められませんが
① 会社として人事評価制度の再設計
② 新人事評価制度を従業員に説明(一部参加も含めて)
③ 新評価制度に合わせて等級や手当なども変わり、賃金規程も変更
④ その結果として給与ダウン
⑤ ただし激変緩和のための措置として半年~1年かけて段階的に給与額を変更していく
などの場合は「合理的な理由」があり、また従業員に対して、明日から急に、ではなく1年かけて変更していく、など一定の配慮がされているため認められるでしょう。
上記のようなストーリーを作っていれば就業規則とそれによる給与の変更(低下)も認められますが、とは言え、可能な限り「同意書」も本人と会社の間で取り交わしておくことも大切です。
====================
小売業・飲食業・サービス・医院クリニック業界のように従業員の出入が多い業界ではトラブルの元になる問題社員が入り込むリスクも高いわけですから10名未満でも必ず就業規則を作成しておくことが必要だと考えます。
ツノダ人事ではそんな10名未満の会社限定でセミオーダー式の「初めての就業規則」プランをご用意しております。「小売」「飲食」「サービス」「医院クリニック」などの業界限定の特別プランです。
人の問題というのはトラブルが起こってからでは遅いこともあります。まずは「お問い合わせフォーム」などからお気軽にお問い合わせください。
-
- 労働条件不利益変更 労働者の同意 合理的理由 給与カット 給与減額 就業規則作成 初めての就業規則 就業規則変更 トラブル防止 人事評価制度 小売業 飲食業 サービス業 医療介護 三鷹市 武蔵野市 立川市 中央線沿線 青梅線沿線 世田谷区 杉並区 新宿 渋谷 品川 東京23区内
-