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従業員が欠勤した場合の給与計算で、欠勤控除の方法はどうすれば良いのか?

欠勤控除の方法は会社の就業規則・賃金規則などで定めた計算方法での算出が認められています。一般的には欠勤控除の場合は大きく2通りの方法があります。

Q、従業員が欠勤した場合の給与計算で、欠勤控除の方法はどうすれば良いのか?

A、会社の就業規則・賃金規則などで定めた計算方法での算出が認められています。一般的には欠勤控除の場合は大きく2通りの方法があります。


従業員が病気やケガで休んだ場合、または家庭の事情で休んだ場合などは通常は有休休暇を当てて対応することが多いと思いますが、有休休暇の残日数が無い時などは、ノーワークノーペイの原則により「欠勤控除」として給料を減額することが認められています。

ただし、労働基準法等では、割増賃金の基礎賃金や、その他、解雇予告、休業、有休、労災、制裁に適用される平均賃金の算定基礎は明記されていますが、具体的な給与計算作業の中での、欠勤控除額の計算方法については特に定められていません。

そのためこの部分は各会社単位で、実務上、手間がかからず、なおかつ不合理と受け取られない、従業員・会社の双方が納得のいく計算方法を考えなくてはなりません。

ここで整理しておきたいのは「月給制」と言っても厳密にいうと2種類の「月給」が存在しいる点です。

○「完全月給制」
1ヵ月いくらと月単位で賃金を決める場合をいいます。 完全月給制は、基本的に支給対象期間に欠勤などがあっても、賃金は全額支給されます。通常は労働時間・時間外労働や休日出勤の適用除外の対象にしている「管理職」クラスに適用されることが多いものです。

○「日給月給制」
月を単位として賃金を決め、支給対象期間に不就労があれば、その分を控除して支給します。 一般社員の場合、基本的にこの制度が多いものです。
また今回の欠勤控除の対象も原則としてこの「日給月給制」に該当する従業員です。

「完全月給制」以外の月給制の場合(=日給月給制)は、欠勤控除を行うことができます。欠勤控除の方法は主に以下の2種類があります。

①欠勤控除額=その月の月給額/年間平均として計算した月所定労働日数×欠勤日数

後で述べる②の「各月の所定労働日数」での計算方法と比べると毎月の日数が一定になるため楽です。ただしもちろん年間の日数を毎年一度は再計算・再設定する必要があります。

欠点としては実際には5月や12月・1月など休日の多い月は平均日数との差異が大きくなってしまう点。また月の所定労働日数によっては、出勤した日数があるにもかかわらず1カ月分の給与額を1カ月分欠勤控除することになることがあること。


②欠勤控除額=その月の月給額/各月単位の所定労働日数×欠勤日数

メリットとしては①の欠点で述べている休日の少ない月と多い月のような実態との差がでない点です。その月の実態が反映されます。

欠点としては各月ごとの労働日数を元にするため毎月計算する必要があること。

また月ごとの休日の日数が反映されるため、所定休日の少なかった前月(勤務日が多い)は1日欠勤で1万円の欠勤控除だったのに、今月は所定休日が多く、勤務日が少なかったため1日単価が増えてしまい1日欠勤で1万3千円の控除となってしまうことになりますので、「計算が間違っている」等と従業員に言われないように、規程の周知は大切です。

上記の2通りの方法で考えますと、月給制(日給月給制)をとっている場合の欠勤控除については、一長一短といったところでどちらが良い、悪い、ということはなかなか言えません。土日祝日がキッチリと所定休日となっている会社ならば各月単位での欠勤控除が。またシフト勤務などで週に2日の休日とだけ決まっている会社では月単位では人によって差が出ることもあるため年間平均での欠勤控除というところでしょうか。

労働基準法には欠勤控除についての規定はありません。そのため、具体的な内容や運用は企業に委ねられています。

毎回、給与計算の都度、または人によって計算方法が変わってしまっては、従業員からの信頼という点で大きくマイナスとなります。
就業規則の賃金の項目や賃金規程などで自社の計算方法を明記し、確立しておくことが大切です。

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