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皆勤手当や精勤手当は残業代計算に入れますか?

労働基準法で定める割増賃金から除外できる手当に含まれておらず、また皆勤手当・精勤手当の支給の趣旨から考えても残業代計算に含む手当になります。

Q、皆勤手当や精勤手当は残業代計算に入れますか?

A、労働基準法で定める割増賃金から除外できる手当に含まれておらず、また手当の趣旨からも残業代計算に含む手当になります。


皆勤手当や精勤手当とは一般的に「賃金計算対象期間中に、1日も欠かさず出勤した場合にもらえる手当」のことです。これらの手当を出すことで従業員の安定した出勤を促進させる意図があります。
主に、小売業、飲食業、サービス業、また医療や運輸業など従業員(パートタイマーを含む)の一人当たりの役割が大きく、欠勤されてしまうとその日の業務遂行や正常な運営に支障が出てしまうような業種や中小の製造業などで採用されることが多いようです。

さて残業代の計算の際に基礎に含まれない手当、残業代の計算から除外できる手当についてですが

1 家族手当
2 通勤手当
3 別居手当
4 子女教育手当
5 住宅手当
6 臨時に支払われた賃金(結婚手当など)
7 1か月を超える期間ごとに支払われる賃金

と労働基準法では決められています。

この7種類の手当は、手当名称を指定して限定列挙されているものですので、これら以外の手当は残業代の計算の基礎となります。また、その一方でこれらの手当はその名称にかかわらず、実質的な支給の目的や支給方法によって判断されるため名称が同じであれば、全て残業代の対象外にできる、ということではありません。

皆勤手当や精勤手当の目的を考えてみますと、一般的には所定の出社日や勤務シフトどおりに勤務することが普通であると考えますと、皆勤手当や精勤手当は月単位で金額が決められているので、実際に手当として支給されるときは、これを「月によって定められた賃金」として残業代の計算の基礎に入れる必要があります。

もちろんそれぞれの従業員によって毎月ではなく、「臨時に支払われた賃金」や「1か月を超える期間ごとに支払われる賃金」のような形での支給になるケースもあるかと思いますがそれはあくまで例外であり原則は、出勤すべき日に出勤した場合に支払われる手当、通常の勤務に関する条件を満たしていれば当然に支給される手当として、基本的には毎月支払われるものとして残業代の計算には入れる必要があります。

この場合の計算方法としては、月によって定められた賃金については、その金額を月における所定労働時間数(月によって所定労働時間数が異なる場合には、1年間における1か月平均の所定労働時間数)で除した金額を基本として時間外割り増し率を乗ずると定められています。皆勤手当・精勤手当が支払われた月に残業代を支払うときは、精勤手当・精勤手当の1時間単価を計算し、これを通常の残業代計算の基礎になる時間給にプラスする形で計算を進めていくことになります。

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