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労働問題

休職している社員が復職を希望した場合は必ず復職させなければいけませんか

通常業務に従事する程度に回復していない場合は復職できない、が原則ですが、これには注意点もあります

Q 休職している社員が復職を希望した場合は必ず復職させなければいけませんか

A 通常業務に従事する程度に回復していない場合は復職できない、が原則ですが、これには注意点もあります。

私傷病休職中の社員の復職の判断には「職種・職務限定」の採用・雇用契約であるかがポイントになります。雇用契約で締結した業務や能力の提供ができない場合は、復職できる状態に達していないと言えます。

●職種・職務内容を特定した採用の場合には、元の職務に復帰できないかぎり、復職させなくても良い。

職種・職務内容を特定して採用した社員が私傷病により休職し、その後、復職を希望する場合であっても、従前の職務に復帰できなければ、雇用契約で締結した仕事を果たせる状態になったとはいえません。

そこで、「従前の職務を通常の程度に行える健康状態に回復したこと」が「治癒」の判断基準となります。
これまでの業務に100%の力を発揮できるかどうか、が復職の判断基準となると言えます。


その一方で専門職などでない、ゼネラル職として採用された社員の場合はどうなるのでしょう。この場合は

●職種・職務内容を特定しない採用の場合であって、医師などの診断により、軽減された職種・職務への配置転換が可能な場合には、軽減された業務に復職させなければなりません。

社員の能力や経験、役職、また会社の規模や異動可能な業務の有無などを検討し、その社員が遂行できる可能性のある業務が社内に存在し、社員もこの業務に就くことを申し出ている場合、その社員は会社に対して充分な労働の義務を提供していると考えることができます。

そのため、会社としては社内でその社員がこなすことのできる業務や配置先を探す必要があることになり、替りの業務を探すこともせずに、一方的に復職を拒否することは許されないことになります。


上記のように復職の判断規準としては大きくわけて2つあります。ただし通常の怪我や病気などの場合は、実際に復職後も業務をこなせるのかある程度は判断がつけやすいのですが、メンタルヘルス系での休職の場合は会社としては判断が困難な場合もあります。

例えば、配置転換をして軽い業務に就かせるにしても、新しい業務に慣れるまでのプレッシャーや、新しい人間関係などでのストレスなど様々な予期できない要素があります。
最終的に職場内の健康管理などの安全配慮義務を負うのは、会社ですから復職を許可する権限も会社に本来はあります。
そのため主治医だけの診断書だけで復職を判断するのではなく、会社指定の医師や職場環境をよく知る産業医などの診断を別途、受診することなども復職判断の際の条件として検討すべきでしょう。

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