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労働問題

販売員に自社ブランドを制服として、購入を義務付けることに問題はありますか

採用時の同意のないものや、一定金額や数量の購入を強制した場合や売り上げ補てんのための強制は、民法の「公序良俗違反」となる可能性があります。注意が必要です

Q、アパレル販売員に自社ブランド商品を制服として、購入を義務付けることに問題はありますか

A、一定金額や数量の購入を強制した場合は、民法の「公序良俗違反」となる可能性がありますので注意が必要です。

アパレル小売業では多くの会社が自社の販売員には自社の商品=自社ブランドの服を制服として着用することを義務付けています。

もちろん販売している販売員が、隣のライバルメーカーのブランド服を着るわけにはいけませんから、これは当然と言えば当然のことではありますが、その事実上の制服となる自社商品の購入方法は大きく分けて以下の3パターンが多いのではないでしょうか。
(1)会社が支給した制服を販売員に着用してもらう
(2)会社が販売員へ一定の制服代を支給する
(3)販売員に社内割引購入制度を利用して購入してもらい業務中に着用してもらう

この中で最も一般的なのは(3)の社内割引購入制度(社販)での方法だと思われます。このための、店舗のレジの登録ボタンに「社販」としての設定がある小売店も多いようです。

ではこのように、会社が、販売員に制服として自社商品の購入を義務付けることに問題は無いのでしょうか?

実は労働基準法などの労働法規には、明確な線引きは無いのですか、一般的には会社が強い立場を利用して、社員に自社商品や不要な在庫品の購入を強制した場合は、民法の「公序良俗違反(公の秩序や一般的な道徳観念に反する)」に該当するものと考えられます。

これは、一定量の商品購入をノルマとされたり、大量に残った期限切り商品などを購入させたり、購入金額により人事評価をする、などの会社の立場を利用し、社員に不要な商品・不必要な量・金額を購入させることがこれに当たります。

 その一方で、自社ブランドの商品を販売員に割引価格での購入を薦めること自体に問題は無く、また事実上の制服として商品購入を義務付けることも、採用の際にきちんと話をして同意を得る、あるいは雇用契約書にて明記した場合などは金額などにも制限はありません。
この場合、例えば「シーズンごとに、新作の中から 割引率は半額で 自分の好きな服を選択できる」くらいのレベルで本人も了承しての入社ならば全く問題はないでしょう。

しかし、いくら同意を得たといっても給料に見合わないような多額な商品を社販で制服として購入させるなどの行為は結局のところ退職を早めるだけです。
また「売り上げ目標に達しないなら社販で商品を購入しろ」などの強制は先に述べましたように違法な行為ですので、注意が必要です。

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