- 会社負担で資格取得後に退職する社員に受講料の返金をさせたい。
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可能ですが、単に「退職したら資格費用は全額返金」では労基法違反となる可能性がありますので注意が必要となります。
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Q、会社負担で資格取得後に退職する社員に受講料の返金をさせたい。
A、可能ですが、単に「退職したら資格費用は全額返金」では労基法違反となる可能性がありますので注意が必要となります。
各企業での資格取得について発生する問題点としては
〇資格手当の金額の問題(資格の重要度や難易度にあった金額設定になっているか)
〇資格費用の負担の問題
の2点が大半でございます。
このうち2番目の資格費用の問題で発生する問題は
〇会社が資格取得の費用を負担してまで資格取得させたけど、そうしたら資格を活かして他社に転職してしまった
という問題です。
もちろん日本は「職業選択の自由」が保障されていますので「転職」そのものを禁止することはできません。
ただし会社としては「勉強の費用も会社が負担してやったのに」ということになり「受講費用については返金させたい」という話になることが多いです。
この場合労働基準法では労働基準法16条で「使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない」と定めており、退職したことを理由にして、違約金や損害賠償を支払わせるという契約は認められません。
しかし、この中でポイントなのはあくまで「違約金」や「損害賠償」をさせることが違法なのであって、資格取得に要する受講費用について会社が立替払いしている場合の「貸付金の返還」までは禁止されていないということです。
以上のことから「資格取得を推奨するため、高額になりがちな受講費用を会社が負担する」ということであれば、「金銭消費貸借契約」を従業員本人と締結したうえで、会社が貸付したものであれば退職時に返金してもらうことも可能となります。
もちろん何十年も前の受講費用まで返金させることが可能というわけではなく、条件がいくつかあります。
〇任意の研修・資格取得講習であり会社命令でないこと
※会社命令で受講させるのであればそれは当然に会社が受講料は負担することになります。
〇資格取得講習等の要した実費部分(受講費用等)のみであること
〇一定期間を過ぎれば返金を免除される内容であること(一般的には最長5年程度とされています)
※資格取得後、5年(5年は例として)は勤務していれば、その後に転職しても受講費用の返還は不要となる
〇退職・転職の自由を認めること
※5年間勤務するまでは退職を認めない等は駄目です。退職・転職の自由の保障と受講料貸付金の返金は別問題です
〇返金する事態になった場合でも一括控除のみでなく分割の返金を認めるなどの無理のない返金方法を考えること
〇「金銭消費貸借契約書」にて・免除期間・返済方法・利子の有無・勤続年数によって減額する場合は減額率等を明確にして、社員に十分な説明をして、契約書を締結すること
などを会社としては順守することで従業員への受講費用の貸付金の返金請求が可能となります。
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