- インフルエンザの社員に休業を命じた場合、給料を支給する必要はあるのですか
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社員に休業を命じた場合、季節性のインフルエンザの場合は会社都合による休業となるため6割の賃金支給が必要となります。
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Q、インフルエンザの社員に他の社員への感染を防止するため休むように命じた場合、給料を支給する必要はあるのですか
A、社員に休業を命じた場合、季節性のインフルエンザの場合は会社都合による休業となるため6割の賃金支給が必要となります。
インフルエンザ、それも通常のインフルエンザ(季節性インフルエンザ:香港B型等の名称でよばれるタイプ)にかかった社員が出勤しようとする場合、他の社員への感染を予防するために出勤停止を命じたいこともあると思います。
※もちろん、ベストな方法としては有給休暇の使用などで自宅療養に専念してもらうことだと思いますが。
労働安全衛生法にも
労働安全衛生法(病者の就業禁止)
第68条 事業者は、伝染性の疾病その他の疾病で、厚生労働省令で定めるものにかかった労働者については、厚生労働省令で定めるところにより、その就業を禁止しなければならない。
との定めがあり、他の社員の健康を守るためにも就業を禁止するこことは可能です。
この場合は就業規則等の規程として定めれば良いわけです。
ではこの場合の給与の支給はどうなるのでしょうか?
本人が自分から休んだ場合や、有給休暇を使用した場合は良いのですが、本人は「大丈夫です。有給休暇の残日数も無いので、無理してでも出勤します!」と言うのを、会社が「他の社員に感染する可能性があるから休みなさい」と命じた場合の給与は・・・・・
この場合は会社都合による休業として平均賃金の6割の支給が必要となります。
ただしインフルエンザでも新型インフルエンザ・鳥インフルエンザの場合は会社が休むように命じた場合でも給与の支給の必要ありません。
これはそれぞれの病気の感染症としての分類が違うからです。
「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」の中の5つの分類では
・1類感染症:エボラ出血熱、SARS、痘そう、ペスト等
・2類感染症:急性灰白髄炎、コレラ、細菌性赤痢、鳥インフルエンザ(H5N1型)等
・3類感染症:腸管出血性大腸菌感染症 等
・別枠 新型インフルエンザ等の特定の感染症
ここまでが感染症法第18条により就業制限措置の対象となる疾病であり、この病気にかかった場合はそもそも「労働してはいけない」と法律により制限されているため、会社が給与を支払う必要もありません。
・4類感染症:E型肝炎、A型肝炎、鳥インフルエンザ(H5N1型を除く)、マラリア等
・5類感染症:新型コロナウイルス感染症、季節性インフルエンザ、ウイルス性肝炎等
4類と5類に関しては労働安全衛生規則61条において就業禁止の対象となる「伝染性の疾病その他の疾病」に該当します。
しかし、4類・5類は感染症法では就業制限措置の対象となる疾病とはされていません。
そのため「行政解釈」として、季節性インフルエンザについては厚生労働省の定める「感染症法」によって予防の措置がとられ、その中でも就業制限の対象となっていないため、感染症としては就業規則等の会社のルールにより出勤停止を命じることは可能だが、その場合はあくまで会社都合での休業となるため平均賃金の6割の支給が必要となります。
もちろん季節性のインフルエンザでも医師や産業医が出勤停止と診断した場合は、医療の専門家である医師の指示による休業となり会社都合ではないため、給与の支払いの義務は生じません。
※上記の記事は過去に掲載の内容を令和時代の視点から見直したうえで再度掲載しています
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