- 社員を雇う際に「戸籍謄本」「誓約書」とか「身元保証書」は必要ですか
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「戸籍謄本」の提出は不要ですが「誓約書」「身元保証書」は必要です
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御社では従業員を雇う際に提出させる書類として何を提出させていますか?
・通勤経路・通勤費の届出書
・給与支給口座の届出書
・雇用保険番号、年金番号
・被扶養者がいる場合の健康保険や国民年金の手続き書類
・給与所得者の扶養控除申告書
・前職の源泉徴収票
など労働社会保険の手続き、給与の振込、通勤費の計算、税制上の手続き書類がほとんどとなります。ではそれ以外の提出書類としては何があるでしょうか?またこれだけで充分でしょうか?
Q、新しい社員を雇う際に「戸籍謄本」「誓約書」とか「身元保証書」の提出は必要ですか?
A、「戸籍謄本」の提出は不要ですが「誓約書」「身元保証書」の提出は必要だと考えます。
●戸籍謄本
まず「戸籍謄本」ですが戸籍謄本・戸籍拓本・住民票については提出させるべきではありません。これらの書類は採用者の門地・身分にかかわる可能性があるため、差別的な対応と受け取られる可能性が高いためです。また行政指導でも画一的に提出させるべきではないとされています。そのため採用時の提出書類としては住所や生年月日等を確認するためであるならば「住民票記載事項の証明書」の提出で充分だと考えます。
●誓約書
「誓約書」に関して「誓約書」は、社員を採用するにあたり、会社の方針を遵守するよう約束をとりつけるための書類です。社員に守ってもらいたい事項を最初に示すことによって、入社後の労務管理がしやすくなります。社員が誓約書の内容を破るような行為をしたときや、しそうなときに、就業規則にあわせて誓約書を示すことで注意することができます。
「誓約書」の内容としては
・服務規定の遵守
・経歴・資格が本当であることの確認
・秘密情報の保持
・損害賠償
などに関して会社の規程を守ります、というものになり、基本的には「就業規則」の該当箇所の内容と同一になります。ただし「損害賠償」に関してはあらかじめ「罰金××円」と規程しておくことは労働基準法違反となりますのでご注意ください。
●身元保証書
最後に「身元保証書」ですが、社員が故意または過失により、会社に損害を与えた場合、会社は社員に損害賠償を求めることができます。その際に社員個人だけでは 賠償できないようなときに連帯して責任をとる人を特定しておくことで、会社のリスク回避が可能となります。
また、それ以上に重要なのは、社員が会社に損害を与えるような行為をした場合、身元保証人に迷惑がかかってしまうということを職員に認識させるための役割がある点です。単なる弁償のための書類ではなく実際は不祥事などを未然に防ぐための書類なのです。
そのため金銭や高額商品を扱う職種は必ず提出させるべきです。またパート・アルバイトでも両親・配偶者などから1名は身元保証人をあげてもらうべきです。
その身元保証人の要件としては特に法的な定めはありませんが「給与所得や年金収入も含め経済的収入がある成人」に限定しておくことをお勧めします。
「身元保証書」の記載内容としては
・社員が会社の就業規則や諸規則を遵守することを、身元保証人として保証する旨。
・社員が故意または過失により、会社に損害を与えた場合に、身元保証人が連帯して責任を負う。
の2点が含まれていることが必要です。
その他の注意事項としては「身元保証書」の有効期限は「身元保証に関する法律」の定めにより最大5年間で期限切れとなり、自動更新はできません。そのため5年以降も保証をとりたいならば再度提出してもらう必要があります。
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